イギリス英語を学んでみよう vol.4(実践編)

vol.4 人気ドラマ「シャーロック」でイギリス英語を体験

日本人にはまだまだ馴染みの薄い感じのあるイギリス英語ですが、単語やイディオム、発音がアメリカ英語とは違っているということを紹介してきました。
アメリカ英語と同様、イギリス英語も地域や教育水準、世代などによってかなりいろいろ違ってくるとはいえ、ここではイギリス英語でもお手本にしたいような、そしていかにもイギリス、という感じが実感できるBBCの人気ドラマ「シャーロック」で実際にイギリス英語を聞いてみて違いを実感していただければと思います。
シャーロックの英語というのは、演じるベネディクト・カンバーバッチ同様、高学歴の最高レベルのイギリス英語と言っていいと思います。アメリカ人なども憧れる人が多いというのがこのようないかにも、というイギリス英語だということです。

あまりにも知能の高いシャーロックの毒舌はドラマの魅力の一つでもあります。
シャーロックの毒舌トップ10というのをチェックしていきましょう。シーズン1とシーズン2からのエピソードのなかでのセリフです。

10. Look at you lot, you're all so vacant. Is it nice not being me?
It must be so relaxing.

A Study in Pink (season 1 episode 1)より

「あんたち、みんなほんとにぼーっとしてるね。僕みたいじゃないって楽だろうね。
リラックスできるんだろうね。」

Vacant というのは「空の、空虚な」などという意味がありますが、シャープで常に忙しく頭脳がフル活動しているシャーロックにとって、凡人というのは気楽でいいだろうね、という失礼な発言です。

9. (to Watson) Stop inflicting your opinions on the world.

A Study in Pink

「ワトソン、世間にお前の考えを押し付けるのはやめろ。」

仕事のパートナーでもあり友達でもあるはずのワトソンが、シャーロックの活躍をブログに記録しているのですが、それに対してまさに「お前のやってることは無意味だ。」と言い放ってそっぽを向いている、シャーロックの傲慢さがよくわかります。
ワトソンという名前で私たちは馴染んでいますが、実際にイギリスではウォトソンと発音するということがこのドラマをみていると聞き取れます。

8. Boring, bored, dull, stupid, shut up, oh for god's sake

「つまんない」「退屈」「馬鹿らしい」「黙ってくれ」「あー、もういい加減にしてくれ」

シャーロックがよく言う文句の数々です。言いたい放題です。
Boringというのは He is boring. で「彼はつまらない人」、という意味ですが、boredといのはHe is bored で「彼は退屈している」、という意味になるので用法に気をつけましょう。
For god's sake というのはよく「勘弁してくれ、頼むよ!」などというかんじでよく使います。

7. Dear god. What is it like in your funny little brains? It must be so boring.

A study in Pink

「ああ、神さま。あんたのおかしな小さい頭の中っていったいどうなってるんだろう。すっごいつまんないだろうね。」

またワトソンに対してひどいセリフですね。

6. Oh she's cleverer than you lot, and she's dead!

A Study in Pink

「ああ、彼女はあんたたちよりよっぽど賢いよ、死んでるのに。」

死人のほうがあんたたちよりも賢い、とまた一生懸命捜査をする捜査員たちに対してひどいセリフです。

5. Oh John (Watson), I envy you so much. Your mind is so placid, straight forward, barely used.

The Hounds of the Baskerville (season 2 episode 2)

「ああ、ジョン、あんたが本当にうらやましいよ。あんたの頭の中ってものすごく平和で単純、めったに使われてないもんね。
ワトソンもドクターですから決して頭が悪いわけではありません。それなのにいつもひどいことを言われ続けています。

4. (to Anderson) Face the other way, you're putting me off.

A study in Pink

「あっち向いてくれよ、(顔見てるだけで)イライラするんだよ。」
Put off というイディオムは、「延期する」という意味でなじんでいますが、ここでは「不快にさせる、イライラする」などという感じになります。
アンダーソン捜査官は現場検証技師ですが、シャーロックにかなり嫌われていていつも文句を言われています。

3. I dislike being outnumbered. It makes for too much stupid in the room.

A scandal in Belgravia (season 2 episode 1)

「数で圧倒されるの嫌なんだよね。部屋の中が馬鹿だらけになるから。」
またここでシャーロックと同室している人達は決して頭の悪い人達ではありません。捜査官たちです。シャーロックにとってはそれでも馬鹿扱いです。

2. (to Anderson) Don't talk out loud. You lower the IQ of the whole street.

A study in Pink

「声に出して喋らないでくれよ。通り全体の知能指数が低下するだろ。」

アンダーソン捜査官も決して知能が低いわけではないはずですが、シャーロックにとっては凡人に変わりなく、目障りな存在でしかないようです。

1. Brilliant, Anderson. Really? Yes, brilliant impression of an idiot.

Reichenbach Fall (season 2 episode 3)

「よくやったよ、アンダーソン」「え?そう?」「うん、馬鹿の見事なお手本だ。」

いい意味でほめたりするときによくイギリス人がbrilliantを使いますが、アンダーソンを最初ほめておいて、びっくりしたアンダーソンに、後でひどい暴言を吐いて突き落とす、というダメージがさらに強くなるinsult (侮辱)表現ナンバーワンでした。

アンダーソン捜査官に対する侮辱の言葉は素直に本心なのかもしれませんが、ワトソンに対するひどいセリフは、たびたび登場するとはいえ、二人は深い信頼関係、友情関係を築いていくので、親友同士ならでは、といったやりとりを面白く観ていけることになります。

頭脳明晰なシャーロックのイギリス英語はまさにクールにキレまくりですが、なかなか真似をすることは難しいかもしれないとはいえ、このようなブラックユーモア大好きなイギリスの雰囲気をドラマで鑑賞して楽しんでほしいと思います。

(kikihana)


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