第78回 語源で学ぼう!ee=された人

語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。
①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。
②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。
③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。
今回は「ee」=された人を取り上げたいと思います。


出展 pixabay

今回は、ee(接尾辞:〜された人)という語源を紹介します。
まずは、ee(接尾辞:〜された人)の意味をよりよく理解するために、反対の意味を持つ語源として、er(接尾辞:〜する人・物)も合わせて説明します。

ee(接尾辞:〜された人)er(接尾辞:〜する人・物)も、基本的に接尾辞として動詞の最後につきます。
○○(動詞)+er(接尾辞:〜する人・物)で「○○する人」
○○(動詞)+ee(接尾辞:〜された人)で、「○○された人」「○○の対象となる人」という意味になります。

それでは、実際の単語を例に挙げて、ee(接尾辞:〜された人)er(接尾辞:〜する人・物)の違いを見ていきましょう。

例として、「employ」という単語を取り上げます。
ちなみに、成り立ちは im_em_en(接頭辞:中へ)plic_pley(語源:折り畳む) です。
そこから雇用する、という意味の単語となりました。

これにer(接尾辞:〜する人・物)をつけると、「employer」雇用する人、つまり雇い主、という意味の単語になります。
対して、ee(接尾辞:〜された人)をつけると「employee
雇われた人、つまり被雇用者・従業員を指す単語となります。
このように、ee(接尾辞:〜された人)er(接尾辞:〜する人・物)は対となる意味をもつ語源なのです。

それでは、ここからはee(接尾辞:〜された人)を語源に持つ単語をさらに紹介します。

例えば、「trustee
trust(語源:信頼する)ee(接尾辞:〜された人)という成り立ちの言葉です。

語源の意味を組み合わせると、「信頼された人」という意味になりますね。
単語の意味としては、被信託人・評議員・管財人・理事などといった役割を持った人を表します。
いずれも、人から信頼され、依頼されて行う役割であることから、この語が使われているのですね。

あるいは、「committee」という単語もあります。
con_com(接頭辞:共に)mit_mis(語源:送り出す)ee(接尾辞:〜された人)
委員会、あるいは委員、という意味です。

commit」という動詞には委託する、という意味があります。
業務や責務を委託された人が委員、その集まりが委員会、というわけです。

この単語はとても一般的で、団体名にもよく使用されています。
オリンピックを管轄する「IOC=International Olympic Committee(国際オリンピック委員会)」を思い出される方も多いかもしれませんね。

ちなみに、ee(接尾辞:〜された人)以外の部分が単独で動詞とならない単語も稀にあります。

例えば、指名された人・受け取り名義人、という意味の「nominee
nomin(語源:名前)ee(接尾辞:〜された人)
第8回で紹介した語源「nomin」ですが、単独では単語として存在しません。
nominee」という単語は賞にノミネートされた人のことを表すこともあるので、アカデミー賞やノーベル賞など、有名な賞の発表会前後では耳にする機会も多い単語です。

今回はee(接尾辞:〜された人)を紹介しました。

尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。「committee」など、日本語にも取り入れられている単語は、知らず知らずのうちにネイティブとは異なった発音で覚えてしまっているということがよくあります。

意味を効率よく覚えたついでに単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。

またee(接尾辞:〜された人)の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させ覚えてしまいましょう。

語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。
次回は「employee」の語源であるplic_pley(語源:折り畳む)について紹介します。