語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。
①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。
②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。
③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。
今回は「nomin」= 名前 を取り上げたいと思います。
出典 pixabay
まずは、言うまでもなくnameがこのnomin(名前)を語源としていることは分かると思います。意味は勿論「名前」「名付ける」です。
次はnominateです。nomin(名前)+ateから成り立つ語であり、nomin(名前)がそのまま含まれることから「指名する」という意味は想像しやすいでしょう。接尾辞-ateは、単語の末尾について動詞化する働きがあります。日本語でも「〜がアカデミー賞にノミネートされた」といった具合に用いられる語です。nominalizeもnomin(名前)を動詞化した言葉ですが、こちらは「名詞化する」という全く異なる意味を表します。nominateに関連する言葉としては、nomineeやnominationがあります。nomineeはnomin(名前)+ee(接尾辞:〜される人)からなる単語であり、意味もそのまま「指名される人」や「受取名義人」となります。nominationはそのまま「ノミネーション」「指名」を意味し、下の動画のタイトルにある様に、オスカー賞選出も"Oscar nominations"と呼ばれます。また、動画内で繰り返しnomineeという単語が登場するのも分かると思います。
nominalは、nomin(名前)+al(接尾辞:~の)からなり形容詞化された言葉です。意味は「名ばかりの」というものであり、少し否定的なニュアンスが加えられます。副詞のnominallyも同様にネガティブな意味を伴い「名義上」または「名目上」何かをする、という際に用いられます。ignominiousはig(接頭辞:否定)+nomin(名前)+ous(接尾辞:~が特徴の・~の状態の)で「不名誉な」「恥ずべき」という意味の形容詞となります。
ポジティブな意味の言葉としては、renownedがあります。これはre(接頭辞:繰り返す)+nomin(名前)からなっているとされ、「名前」を「繰り返し」呼ばれる様な存在、つまり「著名な」「有名な」人物や物事を表す形容詞です。
最後に紹介するのは、denominateという言葉です。この単語は、de(接頭辞:強意)+nomin(名前)からなり、「名付ける」という意味を持ちます。若干固い言葉であり、日本語としては「称する」や「命名する」がしっくりくる対訳とされます。名詞化されたdenominationは「名称」の他に「派」という意味もあり、主に宗派の文脈で用いられ、他に「通貨単位」という意味もあります。日本では「デノミ」を”通貨単位の切り上げ・切り下げ”という意味で用いますが、英単語には「通貨単位」という意味はあっても、その切り上げ・切り下げという意味はないので注意が必要です。
尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。ignominiousとnominationで"nomin"の読み方や強意が異なります。意味を効率よく覚えたついでに各々の単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。
また、nomin(名前)の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させ覚えてしまいましょう。
語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。
次回はdic(語源:言う)について見ていきましょう。