第87回 語源で学ぼう! man_manu(語源:手)

語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。

①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。

②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。

③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。

今回は「man_manu」=手を取り上げたいと思います。

出展pixabay

man_manu(語源:手)は、人の手を意味する語源です。

第1回ped_pod(語源:足)について紹介したのを覚えていますか。

その際、「pedicure」と「manicure」を紹介しました。

ped_podは足、man_manuは手を意味する語源です。

そして、curは世話をする・守るという意味の語源。

現在は手足の爪の装飾であるマニュキュア・ペディキュアですが、語源から見ると、それぞれの爪を守るもの、という意味なのですね。

他にも、手に関する単語はたくさんあります。

例えば「manuscript

man_manu(語源:手)scrib_script(語源:書く)

語源の示す通り、手書きで書かれた文章=手稿、写本、原稿などといった意味の単語です。

ちなみに、手書きのものを表す単語として「handwriting」という単語もあります。

hand」は手を意味する語源、「write」は書く、という意味の単語ですから、とてもよく似た成り立ちですね。

意味の違いとしては、「manuscript」が手書きで書かれた「原稿」や「まとまった文章」という部分に重きを置かれており、メモやノートなどには使われないのに対し、「handwriting」は「手書き」であるということがメインの意味であり、その内容に関わらず使用できる単語であるという点です。

手書きで生み出される「calligraphy」は美しい「handwriting」ですが、「manuscript」とは言いません。

日本語でも「手書き」「手作り」というように、英語でも、man_manu(語源:手)を語源に持つ単語は実際に人の手を介して作り出されたもの、という意味が内包されています。

そもそも、「手作業」を意味する「manual」も、man_manu(語源:手)からできている単語です。

ちなみに、対義語となる「automatic」は、auto(接頭辞:自動の・自己の)ic(接尾辞:~のような)

日本語でも「自動的」という意味ですから、この辺りの語感は英語・日本語で共通していますね。

少し意外に感じるかもしれませんが、「manner」もman_manu(語源:手)を語源に持つ単語のひとつです。立ち振る舞いや動作の行儀や風習を表す単語です。

行儀やマナーは、手の動きの美しさ・丁寧さに現れるということなのでしょう。

重要な体の一部である「手」を表す語源だからこそ、man_manu(語源:手)は、とても幅広い単語の語源となっていることがわかります。

尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。「manuscript」など、普段なかなか耳にしない単語に出会った時には、意味を効率よく覚えたついでに単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。

またman_manu(語源:手)の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させて覚えてしまいましょう。

語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。

次回はscrib_script(語源:書く)について紹介します。