語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。
①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。
②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。
③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。
今回は「multi」=多くのを取り上げたいと思います。
出展 pixabay
multi(接頭辞:多くの)は、接頭辞として単語の最初につき、「multi○○」という形の単語を作ります。
それらの単語は「○○がたくさんある」という意味を持った単語となります。
例えば、「multilingual」という単語はmulti(接頭辞:多くの)+lingual(意味:言語の)という成り立ちで、数カ国語をしゃべる人を表す単語です。
あるいは、「multistorey」はmulti(接頭辞:多くの)+「storey」
「storey」は建物の階を表しますので、「multistorey」はたくさん階がある=高層の、という意味になります。
「multistorey building」は高層ビル、という意味ですね。
ちなみに、建物の階を表す「storey」はイギリス英語で、アメリカ英語では、物語を表す「story」と同じ綴りになります。
実は、「storey」も「story」も元は同じで、物語、という意味の単語であったといわれています。
中世の時代、教会など大きな建物には、階ごとに異なる物語=storyの絵が描かれていたと言われています。
つまり、その建物の階数は、その建物に描かれた物語=storyの数と同じでした。
そこから、story=階という意味が生まれたと言われています。
文中などで見かけた時に混乱しないよう、
①「story」には物語、という意味だけでなく、建物の階数を表す意味がある。
②建物の階数を表す場合、イギリス英語では「storey」という綴りになる(物語、という意味の時はイギリス英語でも「story」です)
ということを覚えておきましょう。
また、multi(接頭辞:多くの)に前回紹介したplic_pley(語源:折り畳む)が組み合わさると、「multiply」掛け合わせる・増殖させるという意味の動詞になります。
掛け算をすることも「multiply」といいます。
ちなみに、掛け算そのもののことは「multiplication」、倍数のことは「multiple」と言います。
掛け算のついでに他の計算についても紹介しておきます。
足し算は「addition」で、足し算をすることは「add」
引き算は「subtraction」引き算をすることは「subtract」
そして割り算は「division」、割り算をすることは「divide」といいます。
次回は引き算の語源であるtract(語源:引く)について見ていきましょう。
尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。「multiple」「multiply」「multiplication」などのよく似た単語は、自己学習だけでは混乱してしまいます。
意味を効率よく覚えたついでに単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。
またmulti(接頭辞:多くの)の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させ覚えてしまいましょう。
語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。
次回は引き算の語源であるtract(語源:引く)について紹介します。