第45回 語源で学ぼう! ly = 〜の状態の

語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。

①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。

②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。

③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。

今回は「ly」= 〜の状態の を取り上げたいと思います。


出典 pixabay

前回の記事で紹介した、carefullyhopefullyをみなさん、覚えているでしょうか。これらの単語は英文法の中で副詞に分類されます。副詞は名詞以外を修飾する、非常に便利な言葉です。副詞を使いこなせると表現の幅が広がるので、ぜひこの機会に使える副詞の数を増やしましょう。

まず、馴染みが深いのは、usuallyという単語ではないでしょうか。「通常」「一般に」という意味で、ut_use(語源:用いる)al(接尾辞:〜の)ly(接尾辞:〜の状態の)で構成されています。今回紹介する単語の中では、特に使用頻度が高い言葉かもしれません。また、同様によく使用されるのが、normally です。normallynorm(語源:規定)al(接尾辞:〜の)ly(接尾辞:〜の状態の)からできており、「標準的に」「正常に」という意味です。このusuallynormally、意味がほぼ同じでありネイティブもあまり厳密には区別していないようです。あえて言うのであれば、usuallyは習慣化していることに、normallyは予定していることに対して使う傾向にあるようです。

次に、自分の何かしたいという意志や望んでいる状態を強調できる言葉を紹介します。1つ目は、desperatelyです。de(接頭辞:弱める・止める)sper(語源:望む)ate_ite(接尾辞:~する・させる)ly(接尾辞:〜の状態の)から、「望むことを止めさせる状態」、つまり止めなければならない程に望みが強いことから、「必死になって」「絶望的に」「ぜひとも」という意味になります。2つ目は、definitelyです。「はっきりと」「確実に」という意味で、de(接頭辞:完全に)fin(語源:終わり)ly(接尾辞:〜の状態の)で構成されています。このdefinitely、発音が少し難しいと思いませんか? ネイティブの発音により近づくポイントは、[t]のところで口の形は[t]のまま、音を発さずに次の[ly]を発音することです。ゆっくり発音すると間が空いておかしいと感じるかもしれませんが、少しずつ速度を上げることで自然な発音になります。英語では、単語の一部を発音しないことはよくあるので意識してみると良いでしょう。ところで、邦題では『ラブ・ダイアリーズ』となっている、ライアン・レイノルズ主演のラブコメ映画 ”Definitely, Maybe”は、みなさんご存知でしょうか?知らない方は、原題と邦題がなぜこのようなタイトルになっているのかも意識しながら、映画タイムにでも観てみてくださいね。

re(接頭辞:再び・戻って)spec_spic(語源:見る)ive(接尾辞:~の性質の)ly(接尾辞:〜の状態の)で構成されている、respectivelyは「それぞれ」「おのおの」という意味です。「不幸にも」「運悪く」の意味を持つunfortunatelyは、un(接頭辞:~しない)for(語源:偶然)ate_ite(接尾辞:~する・させる)ly(接尾辞:〜の状態の)からできています。

finallyは、形容詞であるfinal「最後の」にly(接尾辞:〜の状態の)がついて、「最後に」「ついに」という意味になります。finallyと同様の「ついに」、「結局は」という意味を持つのはeventuallyです。ex_em(接頭辞:外へ・なし・全く)ven(語源:来る)al(接尾辞:~の)ly(接尾辞:〜の状態の)から成っています。

尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。例えば、すでに紹介した、definitelyも以下のスピーカーのボタンを押すと発音が聞けます。意味を効率よく覚えたついでに各々の単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。

また、ly(接尾辞:〜の状態の)の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させ覚えてしまいましょう。

語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。

次回はalについて見ていきましょう。