語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。
①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。
②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。
③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。
今回は接頭辞の「de」= 下に を取り上げたいと思います。3つの場合に分けて見ていきます。
出典 pixabay
① de = 下へ動く・動かす
descend を語源で表すと「de(下に)+ scend(登る)」となります。日本語では筋が通りませんが、英語の"climb(登る)"には"climb down(降りる)"という言い方があります。descend は「高い方から低い方へ移る」ことで、空間的な移動、レベル・品位の変化、先祖から子孫への伝達などを表します。
depress は「下へ(de)押し込む(press)」で、日常語としては「気を滅入らせる」「経済を停滞させる」という意味で使われます。「活気」のレベルを押し下げるわけです。名詞形の depression は「ゆううつ・うつ病」「不況」を意味します。
deject(ject =投げる)は depress の類義語で、「落胆させる」という意味を持ちます。depress だと「押し下げられた状態」が長引く感じがありますが、deject では一回一回の「がっかり」に焦点があります。press(押す)と ject(投げる)の意味合いの差が現れていると言えるでしょう。
② de =崩れる
demolish(mol=巨大な構造物)は「(建物を)破壊しつくす・取り壊す」という意味です。建物が崩れて下に瓦礫がたまっていく様子が浮かびます。
decay は「崩れ(de)落ちる(cay)」ことですが、「落ちる」スピードは非常にゆっくりです。微生物や自然現象の働きで物がじわじわと崩されていくこと、つまり「腐食する・朽ちる」を意味します。
debris は事故や爆発などで飛び散った破片・瓦礫を集合的に表す名詞です。bris は「壊れる」という意味で、やや特殊な語源です。
近年、space debris が問題になっています。壊れた(壊された)人工衛星の破片などが衛星軌道上を周回し、宇宙開発にとって無視できないリスクになっているのです(過去の活動の「つけ」が回っている状態ですね)。下の動画は確認済みの spece debris についてのシミュレーションです。ただし地球の大きさに比して一つ一つの破片(a piece of debris)が極端に拡大されています(実物大で描いたら小さすぎて見えません)。
③ de = 価値を落とす
devalue は「下に(de)見積もる(value)」、つまり「過小評価する」こと。denouce(nounce=公言する)は、公の場で「悪く言う・非難する」ことです。
detest は「忌み嫌う」という意味の単語ですが、語源の構成は「de(下に)+ test(証言する)」となっています。何かを嫌う気持ちが「証言できるくらいきっぱり」定まっているわけです。
despise は「軽蔑する」、deride は「馬鹿にする・嘲笑する」という意味。「de(下に)+ spise(見る)」「de(下に見て)+ ride(笑う)」と語源で考えると、非常に生々しい感じがしませんか?
尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。depress と debris で"de"の発音が全く異なります。意味を効率よく覚えたついでに各々の単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。
また、de(接頭辞:下に)の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させ覚えてしまいましょう。
語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。
次回はspec_spic(語源:見る)について見ていきましょう。