第97回 語源で学ぼう! ject = 投げる

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語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。

①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。
②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。
③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。

今回は「ject」= 投げる を取り上げたいと思います。jetjac という形もあります。

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出典 pixabay

語源そのままの単語 jet は「噴出・噴射(する)」を意味します。液体やガスを小さな穴を通して勢いよく外に「投げつける」イメージです。

jettison は船や飛行機の積み荷を緊急時に「投棄する(投げ荷する)」ことを意味します。投棄された積み荷は jetsam です。

jettisonjetsam は紛らわしくて覚えづらいので、jetsamflotsam(難破船の残骸・漂着物)とセットにして覚えておくとよいでしょう。flotsam の flot は float(浮かぶ)と同系統の要素です。

jectjetjac) が「置かれている・位置している」を表す場合もあります。「ねらって投げる→設置する→(過去分詞で)置かれている・位置している」というわけです。

例えば、adjacent =「ad(~の方に)+ jac(位置している)+ent(形容詞語尾)」で、「隣接した」を意味します。

以下では ject に接頭辞がついて多様な単語が派生していく様子を見ていきましょう。

eject =「e(外へ)+ject(投げる)」
→「勢いよく投げ出す・吐き出す」「排出する」「強制的に退去させる」

reject =「re(元の方へ・反対に)+ ject(投げる)、投げ返す」
→「却下する」

project =「前に(pro)+ ject(投げる)」
→「(将来について)試算する」「(表面・縁から)突き出る」「投影・映写する」「(事業・研究などの)計画」
projectionist =「project する専門家(ist)」
→「映写技師」

subjectobject は多義語ですが、次のように整理できます。

subject =「下に(sub)置かれている(ject)」
→「~に従属している・~の影響を受けやすい」「臣民」「被験者」
subject =「基底に(sub)置かれている(ject)」
→「主題」「主語」「主体・主観」

object =「向かいに(ob)+置かれている(ject)」
→「物体」「対象」「目標」「目的語」「客体・客観」

ただし、「主体・主観」「客体・客観」という意味や派生語の subjective(主観的)・objective(客観的)を語源から説明するには西洋哲学の歴史に踏みこむ必要があります(今回は割愛します)。

最後に一つ専門的な単語を見ておきましょう。trajectory =「tra(ns)(越えて・通って)+ ject(投げる)+ory(ラテン語語尾の残滓)」で、投射された物体の運動の道筋(軌道)を意味します。

下の動画は木星探査機「Juno」の trajectory を示しています。宇宙空間では太陽電池による電力を用いてごくわずかな軌道修正を行うとともに、 gravity assist (惑星重力の助けを借りて軌道変更と加速・減速を行うこと)により計算通りの軌道を進んでいます。まさに匠の技というべき美しさです。

尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。projectprojectionist で"ject"の発音が異なります。意味を効率よく覚えたついでに各々の単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。

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また、ject(語源:投げる)の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させ覚えてしまいましょう。

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語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。

次回は ist(接尾辞:~する人・主義者)について見ていきましょう。

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