第9回 語源で学ぼう! pro = 前に

語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。

①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。
②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。
③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。

今回は「pro」=前に を取り上げたいと思います。

出典 pixabay

まずはお馴染みのprojectから。そのまま「プロジェクト、企画」という意味です。pro_pur(接頭辞:前に)+ ject(語源:投げる・推し進める)をつけると、「前に・推し進める(こと)」つまり、「企画」となります。日本のビジネスにおいても、そのまま「プロジェクト」として使われていますね。

projectorだって、日本語で「投射機」とは言わずにそのまま「プロジェクター」の方がわかりやすいです。このように、ビジネスの世界では、すでに英語が浸透しているので、英語でそのまま使われる外来語が多く、むしろ英語の方がスムーズに伝わる場合があります。

ちなみに、このprojectorを用いて、建物の形にあわせて映像を映し出す技術のことをprojection mappingと言いますよね。テーマパークで夜になると催される光の演出のことです。

またビジネス関連でいえば、profitprofitableもよく出てきます。pro(前に)fic(語源:作る)をつけて「前につくる→利益」となります。さらにprofitable(できる)をつけるとprofitableは「利益ができる→儲かる」という意味になります。

ではどんな人が儲かるのか? スキルにあふれる proficient 「熟練した」人だったり、話題になるprominent「有名な」人だったりする訳です。そんな人たちのことをprospective「有望な」人間と言います。

このように、pro_pur(接頭辞:前に)がつく言葉はビジネスでは頻出しますので、覚えておくと使えるシーンはたくさんあります。

pur(接頭辞:前に)についても見ていきましょう。
目的の意味のpurposeは、pur(前に)+ pos「置く」というように、前にゴールを置くから目的となります。購入を意味するpurchaseは、pur(前に)+ chase(つかみ取る)で前へ手を伸ばして買い取る行為になります。

つまり、知らない単語に出会ったときは、まず分解して想像してみるのも手です。接頭辞や接尾辞の意味がインプットしてあれば、断定まではいきませんが、近しい意味まで予測できます。

例えば、pursuitが分からないと仮定して、pursuitのふたつのパーツに分けて考えてみます。pur(前に)+ suit(続く)という知識さえあれば、「前に向かってぴったりくっつく」というように、本来の意味の「追跡する」と大して遠くないイメージが湧きませんか?

このように、手がかりがあるとイメージがつかみやすいですよね。
最後に、TOEIC頻出単語を紹介します。

purveyorproviderです。両方とも「供給業者」という意味になります。どちらもはじめは同じラテン語providereから来ていて、pro(前に)+ video(見る)+ or/er(〜する人)=「事前に予見して与える人」という意味から、現在の「供給業者」という意味にたどり着きました。この機会にセットで覚えておきましょう。

尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。purveyorproviderでは同じ語源を元にしていてもスペリングが異なるせいで"pur"、"pro"の発音が全く異なります。意味を効率よく覚えたついでに各々の単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。


また、pro_pur(接頭辞:前に)の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させ覚えてしまいましょう。

語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。

次回はject(語源:投げる)について見ていきましょう。

表示できる例文はありません。表示できる例文はありません
「いいね!」 1