語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。
①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。
②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。
③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。
今回は「de」= 離れて を取り上げたいと思います。
出典 pixabay
de は英語の「away」「off」「from」「out」などに相当する意味を持ちます。例えば、deceive(だます・欺く)を語源から見ると次のようになります。
deceive =「de(away from)+ceive(catch)=~からつかみ去る」→「だます」
このように、語源から見ると de が句動詞の副詞・前置詞として働いている例がたくさんあります。また、「de + ceive」 が「つかみ去る」となったように、日本語では de を動詞に訳したほうが自然な場合が多々あります(「離れて」も「動詞+て」です)。
同様の例をいくつか列挙します。
deport =「よそへ・外へ(de)運ぶ(port)」→「(国外へ)追放する」
demented =「自分の心( ment)から引き離されて(de)」→「心の病・認知症にかかった」「(感情的な理由で)おかしくなった」「(考え方や行動の面で)まともじゃない」
dementia =「認知症」
defy =「信念を持って(fy)突き放す(de)」→「公然と反抗する・拒む」
decide =「切り(cide)離す(de)、切り去る」→「決断する」
decide の de は「完全に・すっかり」という意味に取ることもできます。日本語で「切り去る」の
「去る」が「すっかり~する」を表すのと似ています。
de が「排除・奪取」または「逆の行動」を表す場合もあります。
dehydrate =「水(hydr)を除く(de)」→「(食物を保存のために)乾燥させる」「(体を)脱水状態にする」
deregulate =「de(逆を行う)+regulate(規制する)」=「自由化する」
desperate =「望み(sper)を奪われ(de)て」→「望みが潰えて」→「絶望的な」「絶望した」「死に物狂いの」
desperate には「命知らずの・凶悪な」という意味もあります。この場合は「望みが潰えて」というニュアンスが薄れ、常軌を逸した荒っぽさだけを表します。
desperate に似た desperado という単語があります。スペイン語のような綴りですが、語源学によるとスペイン語の響きを取り入れた英単語ということです。意味は「命知らずの人間・乱暴者・無法者」。とくに19世紀西部開拓時代の無法者を想起させる単語です。
イーグルスに「Desperado」という曲があり、カントリー系のミュージシャンによくカバーされ、メロディアスな曲調のため日本でも非常に人気があります。「無法者」というよりも「得がたいものばかり追い求めて社会の枠から外れ荒んだ暮らしを続ける人物」に語りかける歌詞になっています。
尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。deceive と desperate で"de"の発音が全く異なります。意味を効率よく覚えたついでに各々の単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。
また、de(語源:離れて)の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させ覚えてしまいましょう。
語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。
次回は cide_cis(語源:切る・殺す)について見ていきましょう。