語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。
①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。
②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。
③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。
今回は「tract」=引くを取り上げたいと思います。
出展pixabay
tract(語源:引く)の「引く」という意味は、日本語の「引く」と同様、幅広い意味を持っています。
例えば、具体的になにかを引っ張るという意味。
「tractor」という単語があります。日本語でも「トラクター」と言いますね。農業などで使用される車両で、荷物を引っ張ったり、農業機械を引っ張って畑を耕したり、引っ張るものによって、さまざまな役割を担っています。
tract(語源:引く)+or(接尾辞:~する人・物)という成り立ちの通り、なにかを引っ張るもの、という意味からこういう名前になりました。
あるいは、概念的なものを引っ張ることもできます。
例えば、「protract」という単語は、pro_pur(接頭辞:前に・為に)+tract(語源:引く)という成り立ちです。
前に引っ張ることで、延ばす・長くするという意味の単語です。
その他に、時間を引っ張ることから、長引かせる、という意味もあります。
「abstract」という単語もあります。
具体的な物事や実際の存在から離れた方に引っ張っていくとどうなるでしょう。
そう、抽象的になっていきます。
この単語は、抽象的な・抽象派の、という意味があります。
人の感情に関わるものもあります。
例えば、「attract」
という意味です。
人の感情や好意を自分の方へ引く、つまり、惹きつける・魅了する、という意味の単語です。
人を惹きつける魅力があることは「attractive」と言います。
分野やトピックについて使用されることもありますが、女子の恋バナで「あの人素敵!(He is so attractive!)」なんていう時に耳にすることの方が多いかもしれません。
ちなみに、遊園地の「アトラクション」もこの言葉から来ています。
英語で「attraction」というと、遊園地の乗り物のことだけでなく、魅力あるもののことを全般的にそう呼びます。あるいは魅力そのものをいうこともあります。
例えば、旅行に行った際に体験する美術館巡りや手作り体験、乗馬やバンジージャンプなど、楽しい経験はすべて「attraction」と表現することができます。
今回紹介したtract(語源:引く)には、さまざまな意味がありました。
ですが、紹介した単語は日本語でも「引く」と表現されるものも多く、イメージがしやすかったのではないでしょうか。
一見関係のないように見える単語でも、語源を紐解いてみると、このように結びつきが見えてくることもあります。
尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。「tractor」や「attraction」など、日本語にもある単語は、知らないうちにカタカナ発音になっていることもあります。
そうならないよう、意味を効率よく覚えたついでに単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。
またtract(語源:引く)の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させて覚えてしまいましょう。
語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。
次回はtain_ten(語源:保持する)について紹介します。