第77回 語源で学ぼう! semble_simil = 同様な

語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。

①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。
②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。
③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。


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今回は「semble_simil」= 同様な を取り上げたいと思います。

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出典 pixabay

この語源を持つ基本単語に動詞 resemble (似ている)と形容詞 similar( 似た・同様の)があります。この二単語で semble/simil の意味を暗記してしまうとよいでしょう。なお、resemblere は「再び・戻って」を意味するのが基本ですが、ここでは「互いに」を表していると考えられます(戻って→お返しに→互いに)。

sembl(e)simil に由来し、元来同一の語源です。ラテン語の simil という要素が古フランス語に移った際に一部の単語で sembl と変化し、英語はこの両方の形を受け継いだのです。

では、まず simil の形をとる単語をいくつか見てみましょう。

"as white as snow(雪みたいに白い)" のように 、比較対象(何と似ているか)を明示するタイプの比喩を simile(直喩) と言います。

facsimile(模写・複写・FAX)は「fac(作る)+ simil(同じ物) 」で、語源から意味を類推しやすい単語です。逆に、「FAX= facsimile」を覚えておけば語源 facsimil の意味を思い出すのに利用できます。

assimilatea は「~の方へ」という方向性を表します。”A is similar to B." では独立した A と B が似ているだけなのに対し、”A assimilates B.” では B が A の方に(a)一体化(similate)して独立性を失ってしまいます。assimilate は具体的には「(情報・食物などを)消化・吸収する」を意味します。

今度は semble を含む単語を見ていきます。

assemblea も上と同じで、実は assimilateassemble は元来同じ語源構成を持ちます。assimilate はラテン語動詞の形を残し、assemble の方は古フランス語動詞の形を残しているのです。しかし意味はまったく異なるため暗記するほかありません。assemble =「~の方へ(a)集まって一体になる(semble)」=「一箇所に集まる・集める」「組み立てる」です。

disassembledissemble も紛らわしい単語です。前者の dis は「逆の動作」を表すので、disassemble=「組み立てる」の逆=「分解する」となります。後者の dis は「(好ましくないことについて)完全に~してしまう」ことを表し、dissemble =「完全に別の何かと同じに見せかける」=「(本心などを)隠す・偽る」となります。

ensemble はフランス語からの借用語で、フランス語風に発音されます。フランス語の ensemble は「一緒に・同時に」が最も基礎的な意味です(en は強意接頭辞)。英語の ensemble はフランス語 ensemble の名詞用法に由来し、「(音楽・洋服の)アンサンブル」「統一的な集合」を意味します。

では音楽の ensemble の好例を以下の動画で見て・聴いてみましょう。曲はブラームス「弦楽六重奏曲第1番」です。

尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。resembleassemble で "semble" の発音が全く異なります。意味を効率よく覚えたついでに各々の単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。

resemble
assemble
また、semble_simil(語源:同様な)の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させ覚えてしまいましょう。

assemble%20aka
語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。

次回はa_ad(接頭辞:~の方へ・関して)について見ていきましょう。

同じ語源で、長ったらしいですが、以下の英単語はverの語源(真実の)を覚えるととても覚えやすくなります。

真実の + 同様な → 本物同様の → 迫真性

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