語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。
①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。
②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。
③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。
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今回は「ance」=~の性質・状態 を取り上げたいと思います。
出典 pixabay
anceは主に名詞を作ることのできる語源です。特に動詞+anceのパターンがよく見られます。例えば、assistanceとgovernanceはそれぞれassistとgovernという動詞と組み合わさっています。このように動詞にanceを付けてみると結構な確率でその名詞形が存在するんです。
同じように名詞を作る語源としてtionもありますね。continueを名詞にしようとすると、continuanceとcontinuationの2種類が見つかります。どちらも「継続」を意味しますが、continuanceはance(接尾辞:~の性質・状態)が付いていますので継続する状態を指します。一方、continuationのtion(接尾辞:〜する事)は継続する事、つまり動作を表しています。この違い意識できていましたか。anceは性質・状態を指すことを今回は覚えましょう。
では、他にどんな状態を表す単語があるでしょうか。
第一に、私達の五感に関連する単語です。radiance、brilliance、irradianceはすべて光関連の状態を意味しています。そして光が目に入ることで、appearanceやsemblanceといった状態を確認できますね。もっと具体的な単語でprotuberanceなんてものもありますよ。これもある部分が隆起した状態ですね。これらの例はすべて目に見えている状態にまとめられるグループです。その意味では、clairvoyanceもある人にとっては目に見えている状態ですのでanceが使われるのも納得です。
視覚の他に嗅覚に関連する単語としてfragranceは「フレグランス」とカタカナにもなっているので聞いたことがあるのではないでしょうか。そして、聴覚に関連するconsonance。反対語はdissonanceです。どちらも音の種類を表しています。動画では実際にピアノの実演でconsonanceとdissonanceが再現されています。音の違いを感じてみてください(※動画ではconsonant、dissonantと形容詞になっています)。
第二に、anceは気持ちの状態を表すこともあります。例えば、sufferance。やはりこちらも動詞とセットになっていますね。sufferが頭に付いていることから意味をイメージしやすい単語です。同様にrelianceもlig(語源:結びつける)という語源が入っていることから推測しやすいかもしれません。では、defianceはどうでしょう。de(接頭辞:離れて)+fid(語源:信じる)+anceから構成されています。つまり、信じることから離れる(止める)=反抗となります。
第三に、状態と付けられるものの多くでanceを見つけられるでしょう。allianceで同盟(の状態)、acquittanceで釈放(の状態)といずれも状態を付けておかしくない単語ですね。
さて、最後に性質についてもご紹介しましょう。様々な性格を表すanceを使った単語があります。マイナスな意味では、arrogance、nuisance、nonchalance。プラスの意味では、complaisance、forbearance、benevolenceなどなど沢山の性質を表せます。
anceは性質・状態、頭に入りましたか。是非ance縛りで多くの単語をまとめて覚えてみてください!
尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。例えばforbearanceも以下のスピーカーのボタンを押すと発音が聞けます。意味を効率よく覚えたついでに各々の単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。
また、ant = ~の性質・状態の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させ覚えてしまいましょう。
語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。
次回はlig(語源:結びつける)について見ていきましょう。