第62回 語源で学ぼう!fer=もたらす

語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。

①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。
②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。
③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。

今回は「fer」=もたらす を取り上げたいと思います。


出典 pixabay

fer」という語源を持つ言葉には、何かをもたらしてくれる、ポジティブな意味合いの言葉が多く見られます。
例えば、「fertile」という形容詞があります。
fer(語源:もたらす)+ile(接尾辞:~のような)
肥沃な、つまり、作物を作るのに適した、肥えた、という意味です。
また、子を多く生む、という意味もあります。
子孫も作物も、自然界における大切な恵みです。この恵みを「もたらす」ことから、この意味になったのですね。

ちなみに、im_in_ir(接頭辞:~でない)をつけると「infertile
豊かでない、不毛の、生殖力のない、という意味になります。

もたらすものによって、もっと様々な意味を持つ語があります。

例えば、「somniferous
hypno_somn(語源:眠る)+fer(語源:もたらす)+ous(接尾辞:~が特徴の・~の状態の)
こちらは、眠りをもたらすことから、催眠の・眠くするという意味です。
催眠術などにももちろん使えますが、シンプルに眠りに導く、という意味の語でもあります。
聞いていると眠くなる、ヒーリングミュージックなども「somniferous」ですね。
赤ちゃんの寝かし付けに有効なこんな動画も、「somniferous」と表現できます。

他には、「conference」もfer(語源:もたらす)を語源に持つ単語です。
con_com(接頭辞:共に)+fer(語源:もたらす)+ence(接尾辞:~の状態)
意味はもちろん、会議や協議会、相談といったもののことです。
人が集まって一緒に考えることで、有益な結論をもたらす、という場のことですね。
会議の本来の在り方を感じさせる、言葉の成り立ちです。

fer(語源:もたらす)を語源にもつ単語はポジティブな意味のものが多いと書きましたが、中にはそうでないものもあります。

例えば、「overbearing
over(接頭辞:以上・過度の・超えて)+fer(語源:もたらす)
過度にもたらす、もたらしすぎるとどうなるでしょう。
威圧的な・横柄な、という意味になります。
何事も過度にもたらしてはいけません。ほどほどにもたらすからこそ、恵みになるのですね。

今回は、fer(語源:もたらす)を紹介しました。
尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。「somniferous」などは、普段なかなか耳にする機会の少ない単語です。
意味を効率よく覚えたついでに単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。

fer02

またfer(語源:もたらす)の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させ覚えてしまいましょう。

fer03

語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。

次回は「overbearing」の語源であるover(接頭辞:以上・過度の・超えて)について紹介します。