第57回 語源で学ぼう! vert_vers = 向きを変える

語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。

①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。

②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。

③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。

今回は「vert_vers」= 向きを変える を取り上げたいと思います。

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出典 pixabay

まずは馴染みのある単語から始めていきたいと思います。con_com(接尾辞:共に)+vert_vers(語源:向きを変える)+ate(接尾辞:する・させる)+ion(接尾辞:〜する事)で出来ており、「会話」「談話」という意味の単語は何でしょうか?正解は、conversationです。「カンバセーション」とカタカナにもなっています。語源の組み合わせから、共に向き合う様子が想像できますね。会話は互いに相手を見て話すことで成り立ちますから納得です。conversationは名詞であり、これの動詞形はconverseです。単語の成り立ちは、ほとんど同じでcon_com(接尾辞:共に)+vert_vers(語源:向きを変える)です。少し注意しなければいけないのは、動詞では「談話を交わす」という意味ですが、形容詞では「逆の」、名詞では「反対」「逆」という意味になることです。controversyは、contra(接頭辞:反対の)+ vert_vers(語源:向きを変える)から、「反対(方向)に向きを変える」=「意見が合わない」、つまり「論争」「論議」という意味です。形容詞形であるcontroversialは、「論争の的になる」という意味です。contra(接頭辞:反対の)+ vert_vers(語源:向きを変える)+ial(接尾辞:〜の)で出来ています。

続いて、以下の2つの単語についても、知っている方は多いのではないでしょうか。1つ目は、anniversaryです。ann_enn(語源:1年)vert_vers(語源:向きを変える)+ary(接尾辞:〜に関する・〜する人)から構成されており、「記念日」という意味です。1年という節目に自身の向き(=関心)を向けることで、その日が特別な日になるということなんですね。2つ目は、「大学」という意味のuniversityです。a_uni(接頭辞:一つの)+ vert_vers(語源:向きを変える)+ity(接尾辞:〜の状態の)で出来ています。「一つの目標に向かっている状態」ということですね。みなさん、『モンスターズ・ユニバーシティ』(原題:Monsters University)という映画は観たことがありますか?『モンスターズ・インク』(原題:Monsters, Inc.)の続編であるこの映画では、主人公のマイクとサリーが憧れの職業である「怖がらせ屋」になるため、大学で学び奮闘する様子が描かれます。

以上のような予告動画がテレビやSNSで流れていたりすると、本編を観たくなりますよね。では、予告動画に関連して、「広告する」という意味なのが、advertiseです。a_ad(接頭辞:〜の方へ・関して)+ vert_vers(語源:向きを変える)+ize(接尾辞:〜の状態にする)で出来ています。「広告者」「新聞」が、advertiserです。a_ad(接頭辞:〜の方へ・関して) +vert_vers(語源:向きを変える)+ize(接尾辞:〜の状態にする) +er(接尾辞:〜する人・物)で構成されています。advertisementは「広告」という意味で、a_ad(接頭辞:〜の方へ・関して) +vert_vers(語源:向きを変える)+ize(接尾辞:〜の状態にする)+ment(接尾辞:〜の状態の)から成っています。このように、一つの単語からどんどん関連する単語を辿っていくのもおもしろいですよね。

次に、どこに向きを変えるかというと、マイナス方向です。1つ目は、sub(接頭辞:下に・すぐ近くに)+ vert_vers(語源:向きを変える)から、「下向きに向きを変える」、つまり「転覆する」「倒す」という意味のsubvertです。次に、de(接頭辞:完全に)+ vert_vers(語源:向きを変える)で出来ている、depraveです。「(マイナス方向に)完全に向きを変える」ことから「悪くする」「堕落させる」という意味を持ちます。

reversibleは、re(接頭辞:再び・戻って)+ vert_vers(語源:向きを変える)+ible(接尾辞:〜できる)で構成されており、「再び向きを変えることができる」ことから、「裏も表も着用できる」という意味です。この単語もadvertiseのように、語源の組み合わせが少し変わることで意味が少しずつ変わっていくので、ぜひ調べてみてくださいね。

最後は、人の性格に関する単語です。「外向性の人」「外交的な」という意味なのは、extrovertです。extra(接頭辞:範囲外の・並外れた)+ vert_vers(語源:向きを変える)から成っています。「内向性の人」「内向的な」「内へ向ける」という意味なのは、introvertです。intro(接頭辞:中に)+vert_vers(語源:向きを変える)という構成です。

尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。 subvertdeprave で" vert_vers "の発音が全く異なります。意味を効率よく覚えたついでに各々の単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。


また、vert_vers(語源:向きを変える) の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させ覚えてしまいましょう。

語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。

知っている単語の数が多ければ多いほど、表現の幅が広がります。語源学習を活用して、英語をさらに楽しみましょう!