第55回 語源で学ぼう! cern = ふるい分ける

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語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。

①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。
②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。
③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。

今回は「cern」= ふるい分ける を取り上げたいと思います。

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出典 pixabay

これはちょっと特殊な意味の語源のように思われますが、基本単語の中にも隠れています。例えば、secret =「se(~から離して)+cret(=cern ふるい分ける)」で、他のものとはっきり分けて別にしておくのが「秘密」というわけです。

また、crime(犯罪)と crisis(危機・決定的局面)もこの語源がもとになっています。「ふるい分け=裁定・裁判」で裁かれるのが crime。ちょっとした差が命取りになるような、のるかそるかの「分かれ目」が crisis です。

cern(ふるい分ける)に接頭辞がついた例をいつくか並べてみましょう。

discern =「離して・別々に(dis)ふるい分ける(cern)」=「見分ける・違いに気づく」。

discriminate =「離して・別々に(dis)ふるい分ける(criminatecern)」=「見分ける・分け隔てする・差別する」。discern と語源構成は基本的に同一ですが、discriminate のほうは「見分ける」だけでなく「分け隔てする」という行動も表します。

indiscriminate(形容詞)=「in(否定)+discriminate」=「見境のない・無差別の」。「分け隔てをしない」のではなく、「ちゃんと区別しない」ということです。

concert =「一緒に(con)ふるい分けをする(certcern)」=「(計画・方針などを)協定する」「協調・一致・調和」「コンサート」。

「コンサート」は「一緒に楽音や歌声を合わせる」ということから来ているのですね。この言葉はイタリア語の concerto を介して英語に入りました。イタリア語の concerto には「コンサート」と「協奏曲(ソロ楽器とオーケストラの合奏曲)」の両方の意味がありますが、英語で concerto といえば後者を指します。

次の動画はアルバン・ベルクの Violin Concerto(ヴァイオリン協奏曲) の映像です。いわゆる「無調音楽」の一つですが、そう思わせないほど美しい調べに満ちています。

最後に一つ、語源からの類推が難しい単語を取り上げます。

hypocrisy は「偽善」、hypocrite は「偽善者」を意味します。hypo は「下で」、crisycritecern と同じ意味です。「下でふるい分ける(決断する)」とはどういうことでしょうか? これらの単語はもともと古代ギリシア語で「演技」「役者」を意味しました。一説によると、古代ギリシアの役者が大きな仮面をかぶって演技をしたところから「仮面の下で決断する→演技する」という意味になったそうです。現代の hypocrite も確かに仮面をかぶっているようです。

尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。concertconcerto で"cert"の発音が全く異なります。意味を効率よく覚えたついでに各々の単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。

(p)concert
(p)concerto
また、cern(語源:ふるい分ける)の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させ覚えてしまいましょう。
(r)hypocrisy
語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。

次回は hypo(接頭辞:下に・より少ない)について見ていきましょう。

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