第39回 語源で学ぼう! spec_spic = 見る

語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。

①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。
②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。
③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。

今回は「spec_spic」= 見る を取り上げたいと思います。

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出典 pixabay

spec_spic」には「見る」という意味と、そこから派生した「種、型」「物を見るときのポイント、点」という意味があります。「見る→見え方、見分けられる特徴→種、型」「見る→見るときのポイント」という感じです。

生物分類上の species(種)は二番目の意味の成り立ちをよく表しています。

パソコンや電化製品の「スペック」は specification の略語 spec から来ています。「種(spec)を作る(fic)もの(ation)」つまり「ある特定の型を構成する特徴」が specification です。

respect には「尊敬」というよく知られた意味の他に「点」の意味があります。”In many respects they are similar.(多くの点でそれらは似ている)"などと使います。respect は「振り返って(re)見る(spec)」あるいは「立ち止まって見返す」ことです。尊敬や注目に値するものは人を立ち止まらせ、振り返らせます。

以下では「見る」の意味に着目し、接頭辞によってどう意味が変化するか見ていきましょう。接頭辞の勉強にもなります。矢印の左側が語源から見た意味、右側が英単語としての意味です。

prospectpro=前・先へ)
先(未来)を見渡したときに見えてくるもの→「見込み」「見通し」

retrospectretro=戻って)
過去に戻って見ること→「回顧」

inspectin=中へ)
中まで見る→「(間違いや欠陥がないか確かめるため)注意深く観察する・検査する」

expectex=外へ)
(眼前・手元ではなく)外を見る→「予期する」「期待する(当然得られるものと思う)」

introspectintro=内向きに)
(自分の)内側を見る→「内省する」「自問自答する」

suspectsusub=下から)
(まっすぐではなく)下から見る→「(証拠はないが)疑う・怪しいとにらむ」「~だろうと思う」

circumspectcircum=回って)
(進む前に)回りをよく見る→「用心した・慎重に構えた」(形容詞)

conspicuouscon=みな・すっかり) ※ ous は形容詞を作る接尾辞
すっかり見える→「目立つ・際立った」

perspectiveper=通して・すっかり) ※ ive は形容詞を作る接尾辞(そのままの形で名詞にもなる)
向こうまで見通すこと→「遠近法・透視図法」「眺望・見通し」「観点」

西洋絵画ではリアリティが重視され透視図法が発達しました。下の動画では「二点透視図法」に従って街並みが描かれます。徐々にできあがっていく眺望を眺めてみましょう。

尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。speciesspecificationrespect で"spec"の発音が全く異なります。意味を効率よく覚えたついでに各々の単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。

(%E7%99%BA%E9%9F%B3)species
(%E7%99%BA%E9%9F%B3)specification
(%E7%99%BA%E9%9F%B3)respect
また、spec_spic(語源:見る)の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させ覚えてしまいましょう。


語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。

次回はfac_fic_fect(語源:作る)について見ていきましょう。