第36回語源で学ぼう!psych = 心

語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。

①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。
②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。
③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。

今回は「psych」=心 を取り上げたいと思います。


出典 pixabay

まず最初に思い浮かぶのはpsychology(心理学)ではないでしょうか。
心に関する学問と言えばpsychiatry(精神医学)も挙げられます。
これら2つの学問は同じ心を学ぶ分野ということで重なる部分もありますが、psychiatryは医学であり主に病気に焦点を当てているのに対し、psychologyはより幅広く人の行動に着目しているという点が大きな違いでしょう。

psychopathology(精神病理学)という分野もありますよ。
このようにpsychpath_pass(語源:感情・苦しむ)とセットでよく使われます。
そのため、psychという語源自体は「心」という中立的な意味しかありませんが、必然的にネガティブな意味を持つ単語を多く目にしているかもしれません。
psychopathはその代表的な単語の1つです。日本語でもサイコパスという言葉がよく使われますね。映画やテレビドラマでも非情な殺人鬼といった登場人物がpsychopathとしてよく描かれています。

上記のような学問を学んだ上で人々のメンタルヘルス向上に貢献する職業がpsychiatrist(精神病医)とpsychologist(心理学者)です。
どちらもist(接尾辞:~する人・主義者)が付いているのでpsychiatry(精神医学)に関わる人、psychology(心理学)に関わる人ということが一目でわかりますね。
この2つの職業も違いがわかりづらいですが、psychiatristは医者にあたるので診断と薬の処方を担い、さらに心理分析や心理療法といった治療も提供することが可能です。psychosisを治す/症状を抑えることが主な役目となります。
psychologistは診断と薬の処方はできません。心理学的アプローチから患者さんの行動変容を促します。つまり、psychotherapyですね。
中でも最も有名なアプローチの1つとしてpsychoanalysisが挙げられます。
psychoanalysisはフロイトによって考案されたpsychotherapyです。
psych(語源:心) ana(語源:上に・戻って・再び)lys(語源:ほどく)で意味を想像できるでしょうか。
psychotherapyは非常に多岐に渡り現在も発展を続けていますので全てはご紹介できませんが、ルーツを辿るとフロイト、ユング、アドラーに出会うことが多いでしょう。全員psychiatristです。アドラーは「嫌われる勇気」という書籍をきっかけに有名になりましたね。

他にもpsychologyを活かせる場面はたくさんありますよ。
2019年のトレンドを見てみましょう。

さて、psych(語源:心)はスピリチュアルな単語にも使われています。
あなたの身の回りにpsychic(超能力者)はいますか?
psychicには超能力者以外の意味もあるんです。
クリックしてその他の意味を確認してみましょう。
最後に輪廻を意味するmetempsychosisをご紹介して終わりましょう。
meta(語源:変化した)in_em_en(接頭辞:中へ)psych(語源:心)という並びから、英語圏では心(魂)が体の中に入って生まれ変わるという概念があることがうかがえますね。

尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。psychosispsychic"psych"の発音が全く異なります。意味を効率よく覚えたついでに各々の単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。


また、psych = 心の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させ覚えてしまいましょう。

語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。

次回はpath_pass(語源:感情・苦しむ)について見ていきましょう。

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