語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。
①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。
②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。
③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。
今回は「se」= ~から離して を取り上げたいと思います。
出典 pixabay
select は多くの方がご存じの単語でしょう。日本語でも「セレクトする」などと使われます。lec(t) は「集める」を意味する語源で、select =「他から離して(se)集める(lec)」=「選択する・(吟味して)選ぶ」というわけです。
secret の意味(「秘密」)もおなじみでしょう。cret は「ふるい分ける」を意味する語源で、「ふるい分けて(cret)ほかと離して(se)おくもの」が「秘密」です。secretary(秘書)は現代では重要役職者個人につくアシスタントのような位置づけですが、もともとは「機密文書」を扱う側近などを指していました。
secrete は secret と同じ語源(se+cret)でできた動詞で、二つの意味を持ちます。一つは「(秘密の場所に)隠す・隠し持つ」で、 secret と意味的に関連しています。
もう一つは 「secretion(分泌物)を出す」「分泌する」という専門的な意味です。secretion は細胞から排出される物質で、何らかの機能を持っているものを指します。細胞膜(細胞壁)をふるい(cret)に見立てるとイメージしやすいと思います。不要物として排出されるものは excretion(排泄物) と呼ばれます(ex=外へ)。
下の動画は食虫植物(carnivorous plant =「肉食植物」)について解説しています。食虫植物は甘くねばねばした液を表面に secrete して罠にしたり、袋状の部分に secretion を溜めて消化槽を作ったりしています。字幕が表示できますのでぜひご覧になってみてください。
最後に、se の意味合いがきつい(きわどい)例をあげておきましょう。
segregate は「群れ(greg)を分離した(se)状態にする(ate)」ことで、「性・人種・宗教などの違いに応じて分け隔てる・別々に扱う・分離する」という意味を持ちます。
seduce は「誘惑する」「性的な誘いをかける」を意味します。語源で見ると、seduce =「se(離して)+ duce(導く)」=「離れた(それた)ほうへ誘い込む・連れて行く」。seduce された人が誘い込まれて道をそれていく姿がありありと浮かびませんか?
尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。segregateとseduceで"se"の発音が全く異なります。意味を効率よく覚えたついでに各々の単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。
また、se(接頭辞:~から離して)の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させ覚えてしまいましょう。
語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。
次回は duc_duct(語源:導く)について見ていきましょう。