語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。
①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。
②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。
③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。
今回は「 pon_pos_pound」= 置く を取り上げたいと思います。
出典 pixabay
この画像はモーツァルトの自筆譜です。彼は言わずと知れた大作曲家ですが、「作曲家」は英語で composerと言います。 composer=con(接頭辞:共に)+pos(語源:置く)+er(接頭辞:する人)。「たくさんの音を一まとめにして置く人=作曲家」というわけです。
composerはおもに作曲家を指しますが、動詞のcomposeは「作曲する」以外にもたくさんの意味を持ちます。例えば、「詩」「手紙」「スピーチ原稿」などを思案して作る(練り上げる)のもcomposeです。“Water is composed of hydrogen and oxygen.”(水は水素と酸素からなる)のように、複数の要素から構成されていることを“be composed of”で表します。
ちなみに、上の画像は「弦楽四重奏曲第19番」の冒頭部分です。音はこんな風に「置かれて」います。
compound はcomposeと同じ要素からなり(pound=pos)、形容詞として「複数の要素からなる・合成の」、名詞として「混合物・化合物」を表します。
共に(con)ではなく離して(dis)置くのが dispose。ただし分離してしまうのではなく、物と物を「適度に離して」置くことです。日本語で言えば「案配する・配置する」に当たります。“dispose of~”となると「すっかり処理する・処分する・捨てる」を意味します。
以下、置く場所や方向による意味の違いをまとめておきましょう。
expose は「外に= ex」置く。「さらす・暴く・露出する」を意味します。
imposeは「中に=im(in)」置く。ただし「有無を言わせず中へ押し入れる」ような感じです。ルール・罰・税金などを「課す」、考えなどを「押しつける」といった意味になります。
interposeは「間に=inter」置く。意味は「間に入れる・挿入する・(異議やコメントを)差し挟む」。
propose は「前に=pro」置く。とくに「案」を差し出すことで、「提案する・プロポーズ(proposal)する・発議する」を意味します。
purpose も「前に」置くです(pur=pro)。ただしこちらは「自分の前に目標として置く」ことです。今は動詞としてはあまり使われません。名詞の「目的・目標」という意味はみなさんおなじみでしょう。
postpone は「後に=post」置く(pon=pos)。「延期する」という意味になります。
oppose は「反対に=op」置く。意味は「反対する・敵対する」。opposite は「反対の・反対側の・逆の」という形容詞です。
尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。oppose と opposite で"pos"の発音が全く異なります。意味を効率よく覚えたついでに各々の単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。
また、 pon_pos_pound(語源:置く)の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させ覚えてしまいましょう。
語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。
今回は pon_pos_pound(語源:置く)にさまざまな接頭辞が付いて意味が変化していく様子を眺めました。次回は接頭辞のco_con_com(接頭辞:共に)について見ていきましょう。