第2回 語源で学ぼう! gen = 生む・種

語源で英単語を学びましょう。語源での英単語学習には以下のメリットがあります。

①関連付けて覚えるので、一度に沢山の単語を覚えられる。
②(①と関連しますが)複数の単語と関連付けて覚えられるので、単語の意味を思い出しやすい。
③スペリングを見ただけで意味を推測できる単語もある。


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今回は「gen」=生む・種 を取り上げたいと思います。

出典 pixabay

まずはgene。ほとんど語源そのままの形です。意味は「遺伝子」。生物を生み出す源ですから、まさにぴったりですね。ちなみに日本語の「遺伝子」のほうは「生み出す」よりも「伝わる」のほうに重点を置いた表現になっています。

関連語のgeneticgeneticsも一緒に覚えてしまいましょう。geneic(接尾辞:~のような)をつけて形容詞化したのがgeneticで、意味は「遺伝子の」「遺伝に関する」です。「t」が間に挟まれているのは発音の便宜のためです。geneics(接尾辞:技術・知識)をつけるとgenetics、こちらは「遺伝学」。この「t」も上と同様です。

下の動画では、geneがさまざまなタンパク質を生みだす(generate)様子を一望できます(generateateは「~する・させる」を意味する接尾辞、「r」は上の「t」と同様)。まるでSFの世界です。

外来語としてすっかりおなじみの「ジャンル」。英語で書くとgenreで、ここにもgenがいます。「生まれ・家柄→種類・クラス→ジャンル」と変化してきました。生物分類学で「属genus」といえば「種species」の一つ上の階級です。generalは「一般的な」という意味ですが、これは「クラス全体に当てはまる」ということです。

genが形を変えて隠れている場合があります。pregnantもその一つです。要素に分けると、pre(接頭辞:前もって・以前の)+gen(語源:生む・種)+ant(接尾辞:~のような)。さて、どんな意味になるでしょう? 答えは「妊娠中の」です。出生前の遺伝子診断(genetic testing)が今や一般的な話題になりました。

命は次の世代へと受け継がれていきます。「世代」はgenerationtionは「~すること・~した結果」を表す接尾辞です。生まれたものが積み重なって「世代」になるのですね。何世代ものつながりを示すのがgenealogy、系譜または系譜学のことです。logyはよく目にされるのではないでしょうか。「専門・学問・まとまった知識」を意味する接尾辞です。

語源と意味の間に少し飛躍がある単語もあります。ingeniousは、in(接頭辞:中へ)+gen(語源:生む・種)+ous(接尾辞:~が特徴の・~の状態の)と分解されますが、どういう意味になると思いますか? 実はこれ、「創意に富んだ、賢い、巧妙な」を意味します。「(その人の)中に生み落とされたもの→持って生まれたもの」が「特徴的だ、優れている」ということなんです。語源だけから意味を知ることは無理でも、ちょっとした情報を足してやるだけでいいのですから、語源はやっぱり役に立ちます。

いやいや同じようなつくりで別の意味の単語があるぞ、とおっしゃるあなたは中上級者ですね。ingenuousがそれです。意味は「純真な、正直な、信じやすい」。「生まれたまま」で、「すれていない」ということです。

幸いにも、ingeniousと形も意味も似ている単語にgenius(天才)があります。「ジーニアス」という言葉はご存じの方が多いでしょう。覚えやすい単語なので今覚えてしまいましょう。「持って生まれたもの(が飛び抜けて優れている人)」ということです。アインシュタインはその代表の一人。彼が生み出した一般相対性理論(general relativity)は現代宇宙論の基礎になっています。

尚、KOTOBAにはネイティブスピーカーの実際の発音を聴ける機能があります。genepregnantで"gen"の発音が全く異なります。意味を効率よく覚えたついでに各々の単語の以下の箇所で発音もチェックしておきましょう。


また、gen(語源:生む・種) の残りの英単語も以下の赤枠内のタグをクリックして表示させ覚えてしまいましょう。

語源学習のメリットとして、知識があまりないところからでも難易度の高い英単語までを比較的短時間でカバーできる点が挙げられます。

次回はin_em_en(接頭辞:中へ) について見ていきましょう。

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